ありがとうの気持ち

 

私はあと何回両親に会えるのだろうか?

 

ありがとうの気持ち

 

最近ふとそんなことを考えてしまう。というのも、先日のゴールデンウィークに親戚のまいちゃんの結婚式があって田舎に帰っていました。土日の週末の2日間家族と一緒にいましたが、私が両親とこうして一緒にいるのは年に1回あるかどうかということ。お盆やお正月はあまり休みが貰えていないので、かえってくるのが面倒ということもあってあまり帰って来てはいない。
そんな久しぶりの家族水入らずの時に、ふと母が言ったセリフが「あと何回、たかちゃんの顔が見れるんだろうね」とちょっとさみしそうな母の声が私の頭の中に響いていました。普段そんな弱いところを見せない母だからこそ、尚更私はこのことを考えてしまっていたのです。

 

それからも私は当然仕事があるので、家には帰ることがなく仕事ばかり毎日していました。ただ、忙しい仕事の合間にも、両親のことを考えてしまうようになっていたので、どうしたものかとずっと考えていました。今回のことをきっかけに、私は両親に何か親孝行をしたいなと思うようになりました。今までずっと世話になってばかりで、親孝行のひとつもしたことがない私には何が出来るのだろうと初めて両親のことを一生懸命に考えて見ました。そんなことを続けていたら、ふとこの間のゴールデンウィークの時に母が温泉にでも入ってゆっくりしたいね、と言っていたのを思いだしたんです。昔から旅行が好きだった母ですが、私たち兄弟が大きくなってからはめっきり家族で旅行にも行けてませんでした。

 

それなら、久しぶりに家族旅行でもしよう。そう思ったんです。私のはじめての親孝行は両親を温泉につれて行くことに決めました。

 

ただ、私もそんなに貯金があるわけでもなく、田舎から車で片道4時間ほどの近県の以前私が行ったことのある温泉旅館に行くことにしました。私もせっかくの親孝行を失敗したくもなかったので、止むおえずといったところでしょうか。

 

それで、さっそくそのことを両親に電話で伝えたら、想像以上に喜んでくれて「たかちゃんが一緒に行ってくれるのか、今から楽しみだね」という母の明るい声からは、母がその場にいるかのように満面な笑顔が想像でき、私はついつい涙がこぼれてしまっていました。

 

電話で話しながら泣いているのをバレないように口調が少し強がったようになってしまっていましたが、私の母は気が付かずに、他の話題に話を変えていました。

 

敬老の日

 

そして、数カ月が経ちいよいよ旅行の日になりました。私は、前もって旅行の予定を立て、両親が喜んでくれそうなところに色々連れて行きました。途中、父が足が痛いと言い出し、予定を変更しながらも1日楽しく過ごすことが出来、私は旅館につくとほっと一安心しました。

 

それから夕食の時間もあっとゆうまに過ぎ、その後、私は父と一緒に温泉に入ることにしました。二人とも体をさっと洗ってから、温泉に入って他愛もない会話を少ししました。普段、あまり話さない父も、お酒で気分が良くなったのかいつもよりも多く話しているようでした。その顔も楽しそうだったので、私は父の話にうなずいて聞いていました。そろそろ出ようかと思ったときに「今日はありがとうな。お母さんすごく喜んでいたよ」と父がぼそっと言いました。

 

私はまさかそんなこと言われると思っていなかったので、照れ隠しもありましたが「それなら良かった」と言うのが精いっぱいでした。

 

次の日も少しだけ観光をしながら帰ることにしましたが、両親が笑っていてくれることが私もすごく嬉しいことだなと感じ、旅行に来て良かったと思うことが出来ました。

 

私はやはり恥ずかしい気持ちがあったので二人に何も言ってはいませんが、両親が少しでも楽しんでくれたことで私の「ありがとう」が今回、ようやく“かたち”に出来たのかなと思っています。

 

最初は、今回の旅行はただ“わたしの自己満足なのかもしれない”とも考えましたが、自己満足になるかどうかさせ、実際やってみないとわからないと思い、思い切って旅行に行くことに決めました。今回の旅行のことは一生忘れることはありません。私は両親と旅行に行くことが出来て本当に良かったです。

 

 

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